Photo source: The Schoyen Collection © The Schøyen Collection, Oslo and London内容は“37カ月の間に2万9086単位の大麦を受領した。(署名)クシム”と推測されている。
お知らせ
このように個人や組織がルールに基づいて物や権利などの価値の所有権を取得、譲渡するには、社会全体が同意する台帳に記録する必要がある。人類文明の歴史の中で、個人の権利と義務を記録するために、政府、銀行、教会などの中央権力が作られた。これらの組織は、価値データを記録する権利を獲得し、価値データで人々の権利と義務を記録し、その権利と義務が果たされるように権力を使ってきたのである。しかし、社会の中で記録できる価値データの種類とそれを記録できる中央権力の組織が限られているため、個人が所有しているものや権利が中央当局によって記録されていないものもたくさんある。そして、中央集権型記録システムの強みはその弱点でもある。私たちが信頼する中央権力は、戦争や権力の変化によって消滅し、中断する可能性がある。例えば、中国共産党が新しい政権を作る前の土地所有権者とその後の土地所有権者は、大きく変わった。日本も戦前と戦後では、価値データの記録が大きく中央権力によって一方的に変更された。一方、中央権力が存続しても、元帳への記録は大きなコストがかかり、記録の公平性を保ちながらすべての価値データを記録することは難しい。